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技術情報

電磁超音波型金属肉厚測定システム(FOD-EMAT)

光ファイバセンサを利用して金属の厚みを計測することができます。光ファイバセンサ(FODセンサ)と磁石とコイルを組み合わせた電磁超音波発振子(EMAT)を用いて、フレミングの左手の法則に従いローレンツ力を金属中に誘起して金属を振動させます。その振動周波数を解析することで肉厚が測定できます。

電磁超音波型金属肉厚測定システム

金属板の厚さを、超音波の波長をとすると、

  (は整数)

の条件を満たすときに超音波が共鳴する。これを超音波の周波数の関係式を用いて書き直せば、下式となる。

一方、FODセンサは、光ファイバが伸縮するときに、光ファイバの中を透過する光に生じるドップラ効果を利用したセンサであり、FODセンサを固体と接着すれば、接着部分の伸縮速度が計測できる。これを光干渉計によって電圧値に置き換えることで、金属内に伝播する超音波が計測できる。
超音波励起機構には、高温環境でも機能性が低下しにくいEMAT(Electromagnetic Acoustic Transducer)を用いる。EMATを金属近傍に配置して高周波電流を流すと、電磁誘導作用によって試験片に渦電流()が発生する。これに磁石からの磁界()が作用して、次式に示されるローレンツ力()が発生する。

この力()を用いて試験片内部に対して超音波を発生させ、その超音波周波数を掃引する。ある肉厚値において超音波は共振効果を生じるため、その周波数を読み込むことによって肉厚値を求めることができる。

項目   備考
試験対象 材質 炭素鋼、低合金鋼 等
測定板厚範囲 5〜30mm
特性 板厚測定分解能 ±0.1mm(著音波厚さ計と同等)
測定雰囲気 空気、不活性ガス中
低圧、高圧状態でも連続測定が可能です
測定環境 0℃〜200℃(試験体表面温度)

【特徴】
従来の配管肉厚計測は、1. 定められたスケジュールによる定期点検(時間基準)、2. 点検時は設備稼動停止により常温で作業者が1測定点毎に計測していることから、3. 多大な計測マンパワーと時間と費用を設備管理者(事業者)に課すなどの課題がある。
これに対して本システムは、○状態基準管理の指標となる重要局部での定点監視、○常設式の耐熱センサプローブにより、稼働中の高温でも肉厚計測が可能、○コストの最適化、を特徴としている。
断熱材の下に常設されたセンサラインに、可搬式の肉厚計測システムを接続するだけで、いつでも配管の減肉を測定できるという利点がある。これは、耐熱性のある光ファイバセンサを受信機構に採用しているためである。

【適用可能な用途】
・プラント配管の減肉監視(エルボー部などでも可)
・圧力容器